思いっきり投げる。(中)[年末編]
「2週間は自宅謹慎をお願いしているんです。」
濃厚接触者として名前が挙げられた僕はオーナーさんが貸してくれたアパートで、一人暮らしをするわけで。
この日は、好きな子とご飯に行くはずだった日であり、気持ちもその気であり。
「電話、しよう。」
結局気持ちは抑えられず、もともと会う約束だった時間に、彼女と電話することにした。
「こんな事ってあるねんなぁ、濃厚接触者やて。自分に言われるとは思ってもおらなんだー。」
好きな子「いや、まさかすぎん?ビックリよ。」
自分で言うのもおかしいけど、彼女とは仲が良く。会話はいつも盛り上がるわけで。
好きな子「元カレの所に会いに行こうと、思ってて。でも、どうなるか分からんけど、会いに行く。」
今から思えば、それをスっとのみこんでおけばよかった。
好きな子「そっちは好きな子とはどうなん?」
おさえろ
好きな子「いいかんじ?」
やばい
好きな子「会う予定とかないの?」
止まって
「僕の好きな人さ、Yちゃんやねん。」
、
、
、
、
好きな子「え?」
「ずっとYちゃんのこと好きやってん。」
好きな子「びっくりしすぎて、ちょっとまって、よくわからん。」
「そうやんなーー、、、、。」
ごめん。
最後はこの一言で終わったわけで。
好きな子「ありがとう、やけどごめん。あの、思わせぶりなことしてた?わたし、、。それやったら、ほんまにごめん。」
「いえ、まったく。」
好きな子「そ。とりあえず会ってくる。うん。」
「うん。会ってきて。」
ごめん。
その後は適当な雑談をして、これまで通りの友達関係でいよう、となり。
好きな子「じゃあ、切るね」
「うん。おやすみ。」
思いっきり投げたスマホはベットで跳ねて床に落ちた。
まーーじで、アホ。
それが去年の年末の出来事。